世界樹の迷宮X妄想マスタリー雑記 4周目 天球を抱える星術士

思い付きでつづる妄想マスタリーも4周目ですって奥様

Ⅳ 例えばひとつのこんな結末

魔魚との死闘を終えて戻ってきたアガタのもとに、探索司令部に出頭するように伝言が届いた。担ぎ込まれた冒険者御用達の宿屋〈湖の貴婦人亭〉の待合室に訪れた衛兵に、出来れば行きたくない旨を伝えると、そういうわけにはいかないので顔だけでも出してくれ…

Ⅳ 泥中の魔魚と新米ギルドと元冒険者

「やあ、アガタ。昨日はご苦労様だったね」 マギニア市街地と接する地下街の入り口、通称勝手口で休息を取っていたアガタに、地下街最奥の咎人の過密地帯、通称どぶねずみの巣から出てきたアザレアが笑顔で挨拶する。 知り合って数年になるが、未だにこの赤…

Ⅳ 狼の巣

カリスと別れた後も探索を続け、迷宮の中層と下層の半分ほどの地図を完成させて戻ってきたティコ達を、困り顔の衛兵が待ち構えていた。 曰く、獣王の領域である「碧照ノ樹海」と飛竜の生息していた「原始ノ大密林」の間に新しい迷宮が見つかったものの、そこ…

Ⅳ 後悔と逡巡と

ネイピア手作りの蛙料理を堪能した翌日、ティコ達は再びカリスを連れて迷宮を探索していた。先日の不甲斐なさを反省したのか、カリスは最初から盾と剣をしっかりと構え、蛙や魔物に襲撃されても叫び声を堪えて懸命に挑んでいる。 その姿を見てティコは、まあ…

Ⅳ 同郷の新米重騎士

飛竜を討伐して探索司令部からの信用を強めたティコ達が新しい迷宮「垂水ノ樹海」探索の為に、ネイピア商会を訪れると店主のネイピアが、いつも以上の笑顔で迎えてくれる。ネイピアとの付き合いも長い。海都の頃から数えると5年を超える付き合いだ。その間…

Ⅳ 地下街の少女

マギニア市街地は飛行都市マギニアの甲板部分に作られた街であり、飛行船は多層階層式の最上部、甲板部分に位置する。その下の内部の階層には軍の倉庫や食糧貯蔵庫、資源保管庫、或いは動力機関や囚人を収容する独房や牢獄が存在し、その中の一角に地下街と…

Ⅳ 迷宮を迷いし者(後)

飛竜に攫われて下層へと放り投げられたティコ達が目を覚ますと、周囲には衛兵達の物であろう武具が散乱し、褐色肌の元気そうな少女が心配そうな表情でティコの顔を覗き込んでいる。 「あ、目を覚ました! すごい勢いで落ちてきたけど大丈夫?」 「ええ。もし…

Ⅳ 密林を迷いし者達(前)

鬱蒼とした植物に覆われた迷宮「原始ノ大密林」に足を踏み入れた者達は、早速新しい迷宮の洗礼を受けていた。意思の有無はわからないが、樹木の上から突然落ちてきて近づく者に毒を浴びせ掛ける軟体の不定形生物、通称ウーズである。銃弾や弓はおろか、剣で…

Ⅳ 図書館の司書とシノビの青年

エトリアの世界樹の第2層の迷宮とよく似た、鬱蒼と生い茂る豊富な草花と背の高い木々で形成される迷宮「原始ノ大密林」、人の手が加えられたことのない森林を衛兵隊に混じって元気そうな褐色肌の少女が少女が駆けていく。更にその後を別の衛兵隊や暗い雰囲…

Ⅳ 鹿狩りと熊狩りと獣王狩り

「先生、ほんとに僕らがいなくて大丈夫なんですか?」 「うん。聞いた話だと弱そうな小鹿がいるだけで比較的安全な果樹園らしいし、それに負傷者に食べさせる果物を取りに行くだけだから」 ティコは術杖の手入れをしながら、ヨハンネスにそっけなく答える。 …

Ⅳ 熊の徘徊する森

樹海磁軸に触れて運ばれた先は森の中だった。見渡す限り背の高い樹木に囲まれ、視界は極端に悪い。木々の状態や地面に点在する足跡から、あまり凶暴な生物はいそうにないが、熊にでも遭遇すると始末に負えない。一刻も早く所在地を把握する必要がある。ティ…

Ⅳ 霊堂に咲く花弁と光の柱

遺跡に潜ったティコは、その独特の光景に目を輝かせた。植物が内部にまで浸食した灰色の壁や床は、発光性の鉱石が混じっているのか空気に触れるとところどころ青白く光り、温度変化にも左右するのか手をかざすと光がゆっくりと明滅していく。 「あのー、ティ…

Ⅳ 絶海の孤島と駆け出しの占星術師

飛行都市マギニア、鯨のようにも見える巨大な船の上に都市区画をそのまま築いた空を駆ける要塞。巨大な積乱雲の中を毅然とした姿で潜り抜けたその船は、荒れた海域の中にそびえる世界樹を囲むように並ぶ複数の島、その中でも砂浜と平地が広がる入り口の様な…

Ⅳ 占星術師が旅に出る理由

南海に位置し多くの民が集う海都アーモロード。港から見て海と反対側、アモロ杉の群生する森林を越えた先の小高い丘の上に、ところどころ外壁の修繕が間に合っていない古城がある。ウラニブルグ天文台。海都の名門貴族ブライエン家の所有する研究所であり観…

Ⅲ 赤蛇の行方

メイとロザリー、捨丸、アリティ、ヘルムートが霊堂に向かって1週間が経った。 レムリアは得体のしれない瘴気に包まれ、マギニアはミュラー指揮の下、帰還準備を始めた。瘴気の影響で活動を強めた迷宮の魔物には組織の連中が対処にあたり、混乱に乗じて犯罪…

Ⅲ 傭兵の国

「昨日は楽しかったね、ゲルトルード。人間でも亜人でもなかったけど、人の姿をしたものを斬るのは心躍るものがあるよね。そこで、お礼に私からひとついいものをあげよう。モリビトを模した抗体、百余名分の魂から作った鍵だよ。さあ、お迎えも来たことだし…

Ⅲ 抗体と病原菌

枯れ果てた森を更に下層へと進むメイ達を、亜人のモリビトを模した抗体と呼ばれる化け物が遮る。本来であればこれまでの迷宮に生息した魔獣や魔物よりも一段も二段も上の力を持っている。しかし不思議と恐ろしさは感じなかった。当然油断は出来ない、しかし…

Ⅲ 蟻と水兵

再び枯レ森に向かう為、メイ達は捨丸とエンリーカを迎えに駐屯地へと向かった。 「メイ殿、エンリーカ様なら今、モリビトに関する文献を調べている。亜人の言っていたモリビトの抗体、それの対処法があるかもしれない、と昨日からな」 エンリーカは突入前に…

Ⅲ ふたりの襲撃者と地の底に眠る世界蛇

再び亜人モリビトの村を訪れると、村の中は静まり返って傷ついたモリビト達が横たわっている。先に到着したエンリーカと捨丸がまだ息のあるモリビト達の手当てを行い、東夷の武士団とロカ族も村中を駆け回って負傷者の治療にあたっている。 エンリーカはメイ…

Ⅲ 訪れる者と拒む者

見覚えのない光景を見下ろしている。屈強な兵士達が大地を埋め尽くす、思わず息を飲むような姿、それを誰かの腕に抱えられて眺めている。見上げれば逆光に照らされた笑みひとつ浮かべない冷徹な赤い瞳と血のように赤い長い髪。これは誰なのだろう。 その瞳と…

Ⅲ ホムラミズチと世界蛇と赤い蛇

エンリーカや捨丸と一旦別れたメイは、落ち合う数日後までに試せる事は出来るだけ試しておこうと、ロザリーと共に市街地付近の森の中にいた。特に知らず知らずの内に身につけていた分身体、これが実際どのくらいの幅を持っているのか確かめておく必要があっ…

Ⅲ ナイトメアと骸骨の剣士

目を覚ますと幾つか妙な変化が訪れていた。 ひとつは髪の色、影にいる間は元の赤い髪のままだが、光に当たるとそこだけ色が抜けたように白く見えるようになった。肌の色も生気が抜けたように青白く、左目もくすんだ様な色に変わっていた。そして何時の間にか…

Ⅲ 閑話:衛兵の報告書

「桜花天空楼」探索報告書 報告者:フランツ メイ殿がとある冒険者との修行に向かった為、赤蛇の旅団の別動隊であるオズワルトとピカロ、ジェントル、ロマーンに同行して、小規模の迷宮「桜花天空楼」に潜る。 先んじて迷宮に足を踏み入れた海都アーモロード…

Ⅲ 少女と毒薬

メイの目の前に一本の薬瓶がある。中身はどろどろに摺り潰された赤色の液体、レドリック曰く、この液体が儀式に使われる秘薬なのだという。 過去にアリティが飲まされた秘薬、触媒となる強靭な生命力の持ち主に毒を飲ませ仮死状態にした後に、捕らえ肉体を朽…

Ⅲ メイとアーテリンデ

翌日、メイは約束通りに姿を現したアーテリンデと、互いに木剣と木杖を手に打ち合っていた。先日の蟲獣との戦い、あれは御太刀やシャレコウベの乱入が無ければ今頃全員が帰らぬ人となっていたかもしれない。これまでは自分が倒れても、他の誰かが残した情報…

Ⅲ 遭遇と和解

海の一族とマギニアの探索隊を探し回るメイ達の耳に、聞き覚えのある声が響いてくる。声の主はおそらくミュラーだ。 「この壁画が、秘宝の在り処を示しているのか?」 壁から身を乗り出して様子を伺うと、ミュラーと衛兵達が広間の壁に描かれた壁画を見上げ…

Ⅲ 旧知の再会と塀から落ちた卵の話

窓から射し込む朝日が暴力的なまでに眩しい。 メイは顔を照らす日差しに顔をしかめながら起き上がり、航海王女と共に潜った海の一族の精鋭と彼らを追う形で突入したミュラー率いる衛兵隊に追いつく為、昨夜の内に整えておいた荷物に手を伸ばした。今から向か…

Ⅲ がらんどうの組織と赤い蛇

マギニア市街地郊外の廃墟の一室、先程まで埃を被っていたテーブルの上に次々と羊皮紙が重なっていく。姿を消していたのはこれを用意する為だったのか。対面に座って羊皮紙に筆を走らせるレドリックと、一枚一枚丁寧に確認していくふたりのナイトシーカーを…

Ⅲ 王家の亜流と後継者

先遣隊の資料を受け取ったミュラーは、レムリア島の地図と資料の記述に従い、軍事演習を切り上げて島内の霊堂へと調査隊を派遣、自らも陣頭指揮を執るために同行した。一方、海の一族もマギニアより先んじて秘宝へと辿り着くために精鋭部隊を送り込み、航海…

Ⅲ 皆伝の書と新たなる名前

東夷の武士団、大将であり将軍の捨丸、彼女の右腕で忍者のカイナ、武士団の切り込み隊長である武弁の御太刀、若手の指南役で鉄砲隊を率いていたシャレコウベ。戦力としてメイに手を貸してくれる以上4名とメイは、海底迷宮探索で発見した皆伝の書に目を通し…